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エルサルバドル共和国、ビットコインを法定通貨に

2021年6月9日、エルサルバドル共和国の大統領が暗号資産ビットコインを国の法定通貨とする法案を議会に提出し可決されました。

す、、、すごい、、、!!!
まぁ、こういう国が出てきても不思議じゃないね。
す、、、すごい、、、(けど、それってどういうことだろう?)
ブロックチェーンが生まれた当時から、国家という概念についても色々なところで議論されてきているからね。
ほ、ほぅ、、、(そもそもエルサルバドルってどこ?)

なんだか、凄そうなニュースが飛び込んできましたが、
凄そうだけど、法定通貨になるってどういうこと???
そもそもエルサルバドルってどこ???どんな国???と

???がいっぱい飛んでいる人もいるかもしれません。
今日もいつもの通りざっくりと調べてみました。

目次

可決した法案の内容

・ビットコインはドルと同等の地位とする
・商品やサービスの支払い手段としてビットコインの受け入れを義務化
・商品をビットコインでの価格表示が可能
・ビットコインで納税可能
・ビットコイン取引は譲渡所得課税の対象外

米ドルがビットコインにとって代わるわけはなく、元々の法定通貨も同時に使用可能となる

価格変動リスクについては
価格変動のリスクを負いたくない企業については、政府がエルサルバドル開発銀行に信託を設定し、ビットコインを米ドルにすぐに交換することで企業のリスクを引き受けるとしている。

 

エルサルバドル共和国ってどんな国?

 

 

公用語 スペイン語
首都 サンサルバドル
大統領 ナジブ・ブケレ
人口 6,163,000人(97位)(統計2008年)
GDP(PPP)
合計
一人当たり
436億ドル
7,551ドル
独立 スペインより1821年9月15日
法定通貨 米ドル(USD)
サルバドールコロン(SVC)
ビットコイン(BTC)

 

経済

・パナマ、コスタリカに続き中米地域で3番目の経済規模
・発展途上国で多くの社会問題を抱えている
・ラテンアメリカ全体で上位10位内に入る貧しい国
・人口約240万人が貧困層
・鉱業の唯一の資源は塩
・経済の支えるのは農業
・コーヒー、砂糖、綿花の栽培が盛ん
・穀物、根菜の栽培量が足りず、穀物を輸入している
・中米一の工業国だったが内戦で没落
・世帯主がアメリカに出稼ぎ、仕送りで国内の家族が生計を立てる家庭が多い
・アメリカ同時多発テロ以降、滞在条件が厳しくなり承継帰国を命ぜられた国民が多く社会問題になっている

国民

・国民の90%はメスティーソ(白人とラテンアメリカ先住民の混血)
・国民の9%は白人で、ほとんどはスペイン系。少ないながらもフランス系やドイツ系、スイス系、イタリア系の家系もある
・国民の1%は先住民のインディヘナ

人口

・首都サンサンバドル都市圏には210万人居住
・エルサルバドルの人口の約42%は農村人口
・2004年時点、約320万人のサルバドル人が国外に住んでいる
・その中のいくらかはアメリカ合衆国への不法移民
・ただし、多くのサルバドル系アメリカ人は合法移民
・アメリカは伝統的に成功の機会を求めるサルバドル人の目的地となっている

 

法定通貨の定義

日本の法定通貨は、言わずと知れた円(YEN)の単一通貨ですよね。
エルサルバドルは、米ドル(USD)、サルバドールコロン(SVC)、ビットコイン(BTC)と複数の法定通貨があります。

日本人にとって、この法定通貨が複数ある感じも中々リアルには想像しにくいですよね。
法定通貨ってどういう定義なんでしょう?

法定通貨とは、「国家によって強制通用力が認められている通貨。日本では、日本銀行券と、造幣局製造の硬貨」(出典 小学館)と辞書には書かれています。

「初級編:お金ってなあに?」でも解説したとおり、国家がこれを価値のある紙とし、国民がそれを信用しているから、この紙が支払いのツールとして使うことができています。

 

日本への影響

エルサルバドルの法律は90日後に施行される。

日本のビットコインに対するスタンスは「通貨ではなくあくまで資産」。
これは国際的な場で合意されたものである。

国際的なスタンスや日本のスタンスとはおかまいなく
90日後にはエルサルバドルはビットコインを通貨として使い始める。

当然、日本政府はビットコインについて改めて定義する必要に迫られることになる。
日本政府には、これを機に前向きに色々と見直してほしいところだ。

世界の反応

ブロックチェーン技術のポテンシャルを把握し、積極的に導入する国家はたくさんあったが、それを大々的に法定通貨にしてしまおうという国家は今までなかった。

どんな国も、政府や中央銀行で管理できない恐れのあるものを法定通貨にする選択はできなかったからだが、貧しい国エルサルバドルがそれをやってのけた。

そもそも金融的にビットコインや仮想通貨は通貨ではないので暗号資産と呼びましょうみたいな合意がなされていた。

そんな中でこうした話が出てきたことで、当然、色々な機関からは疑問視する声が上がっている。

ビットコインを法定通貨として採用することは、マクロ経済、金融、法律上の多くの問題を引き起こし、非常に慎重な分析が必要だ。動向を注視しており、当局との協議を続けていく -IMF(国際通貨基金)

興味深い実験だが、BISはビットコインが決済手段としてのテストに合格していないことを明確にしている。ビットコインは投機的資産として規制されるべきだ -BIS(国際決済銀行)職員

エルサルバドルでは、世帯主がアメリカに出稼ぎ、仕送りで国内の家族が生計を立てる家庭が多く、ビットコインが法定通貨になった場合の恩恵も大きい。自国の通貨が安定していない国ほどビットコインに活路を見出す国が現れるのも当然の傾向である。

 

 

参考
It’s Official: El Salvador’s Legislature Votes to Adopt Bitcoin as Legal Tender
エルサルバドル共和国


 

BitcoinLIFEでは、暗号資産や最新技術について、時に詳しく、時にざっくりと解説記事を書いています。先進性が高く進歩が速い分野の情報を全てを追いかけるのは大変なことですよね。とはいえ色々なことを幅広く把握しておくことも大切です。しかし情報にはキリがありません。まずは気になったものをざっくりと知り、その中で興味が湧いたものをより詳しく調べたりする、その中で理解するのに必要な前提知識を身に着けていく、その流れが自然に学びを得る最良の方法だと考えています。今後も時に詳しく、時にざっくりと情報をお届けしますのでよろしかったらフォローお願いします!

 

 

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