まとめ

改正資金決済法を受けた、各サービスの今後

こちらの記事で示したように、2019年5月31日に可決された「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(通称=改正資金決済法)で、ブロックチェーン事業者は厳しい状況に置かれている。

それぞれのサービスが法改正を受けてどのような方針を示しているのか調べていきたいと思う。

目次

国内注目のサービス3つ

ブロックチェーン関連で取引所やゲーム以外の独自サービスを展開している国内の3つのサービスが主に3つあります。それら3つのサービスの概要です。

VALU

サイト:「VALU」
サービス内容:ユーザー同士が自由に支援し合えるSNS
ミッション:「評価の基準を変え、お金の流れを変え、フェアな世界をつくる」

Avacus

サイト:「AVACUS」
サービス内容:Bitcoinを使って買い物をしたい人と、Bitcoinを持ちたい人を繋ぐサービス(AvacusASKで仕事も可能に)
ミッション:世の中に新しい生活インフラと、そこから新しいライフスタイル生む

ALIS

サイト:「ALIS」
サービス内容:非中央集権型のソーシャルメディア
ミッション:信頼できる記事と人々に素早くアクセスすることを可能にする

各サービスの法規制を受けての今後について

※ 情報元が”法規制を受けて”といったことを明確に記していない場合もございます。

VALUのこれから

株式会社VALU 代表取締役の小川が「VALUと仮想通貨のこれまでと、これから 」で方針を発表 2019.7.15

  • 日本円に切り替える検討
  • 検討理由の一つは、世の中にビットコインを持つユーザーが劇的に増えない以上、ビジネスを続けていくことが難しい
  • 二つ目は、ビットコインの価値が安定しない
  • もともと上記2つの課題がある中で、先日発表された規制の課題も出てきたことが理由
  • 会社運営の観点で耐えられるものなのか、また、先々も見据えてリスクを取ってでも取得すべきライセンスなのか検討中
  • 今はライセンス取得の方向で進めている
  • 近い将来、JPYとBTCのどちらかを選択しなければならないと考えています

正直、まだまだどうなるかわかりません。ローンチ当初に考えていた構想・施策の多くが規制の影響でできなくなり、新しく生き残る方法や抜本的な改善を考えなければならない状況になってきています。

仮想通貨・ブロックチェーンテクノロジーを使ってできることは無限大にありますが、法律、税金、ファイナンスなど多くの制約があります。(ぶっちゃけ、なかなか難しいです。)

それら制約条件の中でもできることを探しながらサービスを開発・運用し、VALUを成功に導いていきたいと考えています。そのため、現在の基本方針であるカストディアンライセンスの取得を念頭におきながら、日々サービスの改善に努めています。

基本方針はライセンス取得を目指すとのこと。
VALUは初期から、ホリエモン、Youtuberヒカルなど、インフルエンサーの間で注目されたことなどもあり、成功のチャンスはたくさんあったように見えます。VALUにはリスクを取ってでも挑戦する方向に進んでくれたら嬉しいなと思います。

AVACUSのこれから

Avacusは、Avacus株式会社代表が2019.6.1にブログを更新。
改正資金決済法成立後のAvacusの展望についてが語られた。

  • Avacusもこの規制の対象になる
  • 規制を見据えて株式会社化など体制を進めて来た
  • 議論や試行錯誤を重ねサービスを継続していくための道を模索
  • しかしAvacusが今の形のままサービスを続けられるかは現時点で明言できない
  • 日本から一時撤退という形を取らざるを得ないシナリオもある
  • どのシナリオに進んでも、急にAvacusが停止したり消えることはない

いずれにせよ、越えなければならないハードルが置かれました。

これからAvacusが世に求められる形になるにはチャレンジのための資金も、サービスを拡大するための人手も、現時点の規模から何段階も大きなものが必要です。
ある意味、ここからがAvacusの第二のスタート地点なのかもしれません。

今こそ暗号通貨を通して世の中を面白くする最大のチャンスだと思います。
同時に、もしかしたら最後のチャンスかもしれません。
これを読んでいる皆さんは暗号資産やブロックチェーンの将来性について期待を持っている方々だと思います。

僕達に少しでも力を貸して下さい。紹介して下さい。僕達を取り上げて下さい。
世の中を面白くできる土壌はここにあります。
Avacusはこれからも皆さんと一緒に進んでいきます。
お力添えをよろしくお願い致します。

リスクを考えれば撤退という判断もあり得るなかその選択をせず前向きに進むことを発表。Avacus運営が確固たる信念を持ってものづくり(サービスづくり)をしていることが伺える。後半のメッセージには、仮想通貨界隈の人全員に読んでほしい熱いメッセージとなっている。

遠くない未来、今の生態系に日本人以外のユーザーもワッと入ってくるかもしれませんね。

編集部が少し気になったのはこの発言。
Avacusはたしかすでに海外のAmazonにも対応しており、
今は日本に注力しているが、完全に対海外向けに舵をきれば、
以後、日本以外のユーザーがワッと入ってくる可能性は十分にあると考察している。

(じゃあ、なぜ大きく海外に舵を切らないか…というのは、
これは完全に妄想だが、Avacus運営は、日本が大好きなのかと思う。
規制によりリスクを負うかもしれないのに、日本にこだわるのは、
日本好きだし、日本がもっと良くなってほしい!っていう思いがあるのかなと
勝手ながら想像してしまう。)

 

ALISのこれから

ALISは、自身のサービス内で「ALISのこれからの方針について」方針を発表 2019.4.18

  • 将来のゴールもALISのこれからとオープンβ版についてでお伝えした内容から変更はなし
  • 国内の規制動向を鑑み、12の新機能の内3つの開発時期をペンディング
  • 企業体力をつけるためブロックチェーン事業コンサルティング・開発支援を行いマネタイズを強化

ALISは早い段階で法律に触れない方向で路線変更をしている。
そして、ミッション実現のために、まずは資金調達をする方針で、サービスとは関係のない事業を始めている。
ベンチャーにとってはこれが回り道となることは言うまでもない。

ICOという新しい資金調達は、そういったベンチャーの回り道をさせないための画期的な方法だったのにも関わらず、結局こうしてまた法律により、まずはお金集めからやらなければならなくなってしまったことがとても切ない話です。

今日・明日にでもサービスが終了するという話ではありません。また、チームが金稼ぎに目覚め私利私欲を満たすために行動し始めた、というわかりやすい事態でもございません。それは私たちがやりたいことではないよね、という価値観は今もチームの中心に座しています

冒頭ではこのように述べられており、日本を良くしようとしてる人たちが日本の法律により、やりたいことではないことをまずやらなければならないという状況に追いやられている状況に悔しく思わざるを得ない。

みんなの反応(Avacus編)

編集部では3つのサービスのうち特に一番利用していて分析もしており、すでに生活に深く根付きつつあるAvacusが規制で潰されることを危惧しています。落ち込んだ編集部とって6月1日にAvacus代表が発表した熱いブログのメッセージにはとても心を打たれました。
Avacus代表のブログでの熱い想いが伝播し、たくさんの人がそれに対する熱いメッセージを発信している様子が見られました。
いくつか抜粋して紹介したいと思います。

編集部よりヒトコト

国内では珍しく取引所とは違う路線で新しい価値を創造しようとしてきた未来ある事業者が、暗号資産交換業者への登録を目指すか、廃業するかを迫られています。

技術革新を規制が足止めをしている事実は悲しいものですが、前を向くしかありません。
各事業者たちも前を向いています。

まだまだどう展開していくかわからないことは多いですが、
こういったサービスを応援し、日本にイノベーションを起こしたいと考える人たちは、今この瞬間このサービスにユーザーとして関われていることを存分に楽しみ、実際にたくさんサービスを触って、使って、遊んで、楽しんで、発信して、プレイヤーになっていくと何かおもしろいムーブメントが起きるかもしれません。

参考
5億円調達、波乱のVALUは今? 小川晃平代表が「ようやく赤字になった」と笑顔のワケ
Part1. ALISとは
「VALUと仮想通貨のこれまでと、これから 」
改正資金決済法成立後のAvacusの展望について
「ALISのこれからの方針について」方針を発表

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